猫の口内炎 4 宮田のエッセイ館

猫の口内炎
猫の口内炎 4

 Iさんの猫は、宮田サプリを与える以前の臭いよだれを垂らしていた頃、新しいエサしか食べなかったという。新しいエサとはドライフードなら封を開けて間もない物で、缶詰なら缶の開けたての物。ドライフードの封を開けて何回か与えると食べなくなり、缶詰の場合、たとえば缶を開けて半分を与え、缶に残った半分を翌日に与えるともう食べないのである。

 新しいエサでも一度に食べ切るのでなく、ダラダラと時間をかけて行儀悪く食べていた。猫の皿に食べかけのエサがしばらく残っていた。食べ方が悪いと別の新しいエサを与えたので、一日何回もエサを与えることがあった。

 ところが、宮田サプリを与えるようになってから、猫は与えられたエサが新しくても古くても一度に食べ切るようになった。猫の皿にエサが残らなくなったのである。

「エサは一日二回だけ与えれば済むようになりました。エサが無駄にならなくなって、お金がかからなくなりましたよ」

 一日二回だけと言った時、Iさんは右手の人差し指と中指を伸ばして「二回」を強調して見せた。Iさんの右手の形はピースサインだった。Iさんが自分の気持ちと猫の健康状態をピースサインで表しているようであった。

 

 電話が鳴った。受話器を取ると相手はSさんだった。開口一番Sさんは、

「猫が良くなりました!この5年間は何だったんでしょう」

 と興奮して言った。

 Sさんは5年もの間、口内炎を患った一匹の猫の面倒をみてきた。Sさん曰く「ありとあらゆる治療を試した」がどれもパッとしなかった。「ダメ元のつもりでやってみる」と、Sさんは宮田サプリを持って行った。その4日後にかかってきた喜びの電話だった。

 Sさんはたくさんの猫を家のなかで飼っている。口内炎の猫もそのなかの一匹。問題は、宮田サプリを混ぜたエサを他の猫に食べられてしまうことだ。だから猫の口内炎の状態にムラがある。Sさんは外に仕事を持っていて、また他の猫の世話もあるので一匹の猫だけに関わるのは難しい。宮田サプリを直接飲ませようとすると、猫は気配を察して逃げてしまうという。Sさんによると口内炎の猫はエイズ陰性らしい。

 Sさんが宮田サプリを与え始めて9ヶ月経過した。現在もエサに混ぜて続行中である。私は、Sさんが口内炎の猫に宮田サプリを毎日与えられるようになることを願っている。

 

 以前、私はハッ!としてある事に気づいた。それは、口内炎を繰り返す一匹の猫を診ている時だった。口の中の痛々しい状態や弱った猫の風貌を見て、私は「こうして欲しい」という猫の訴えを一瞬読み取った気がした。獣医師としての臨床経験があるところに、動物的直感が働いた一瞬だったと私は感じている。この直感を元に私は宮田サプリを開発した。

 口内炎の猫に宮田サプリを与えてみたら明らかな効果があった。別の猫に与えてみたらやはり効果があった。こうして宮田サプリを使い始めた。

 私自身が宮田サプリの効果に驚いている。(了)

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